« ジョアン・ジルベルトの夜 その1 | Main | ジョアン・ジルベルトの夜 その3 »

2004.10.14

ジョアン・ジルベルトの夜 その2

ジョアン、まだ日本にいるんだろうか?
いま思い出しても夢のような心地がする。
今年のライブからDVD作られる予定だそうなので、その打合せやなんかでまだ滞在してンでしょう。去年は、急遽CD化の話が持ち上がって、帰国の日程2度、延期したらしいし。
ビデオカメラまわしてる人、いましたネ。録音・撮影のためだったのかもしれないんだけど、東京二日目、スタッフがけっこう観客席のあいだの通路を走り回ってて、ちょっと興ざめ。しかし、しかたない。遅れてくる人たくさんいて、そのせいで客席ざわざわすることもけっこうあった。それは仕方なくない。天災に見舞われたー!とかいうんなら仕方もなかろうけれども、仕事とか自分の都合で開演に遅れてくるヤツはバカだ。あと、演奏中にぐーすかぴーすか眠りこけてるヤツもバカだ。場の空気を読めないヤツ。心地よくてウトウトていうのならわかる。初日あたりならちょっと疲れていたらここの管理人も眠っていたかもしれない(>_<)でも最終日は違った。二日目も違った。三日目は知らない。
リラックスと緊張感のふたつが無理なく同居していた。ぴーんと張り詰めた空気、にもかかわらず、どこまでもゆったりとなつかしいような気持ち。どこかちがう宇宙に連れてこられたような気持ち。そんな中で聴いてんだか聴いてないんだか?ひょこひょこ頭動かして鼻くそでもほじってるのか?図体でかくて頭もでかいくせに脳みそ足りなくて、後ろの人の迷惑に気がまわらない大バカ野郎、いたネ。あなた、あほですか?と。音楽聴く耳持ってンですか?と。いますぐ退場してください、と。そんなことはもちろん云えないんだが(>_<)、ほかのコンサートだったらたいして気にもならないようなそんなことが、いちいち気になった。せっかくの美しい空気が汚されるような気がしたからだ。特に、背の高いでかい人はそのこと自覚してもらいたい(笑)はなはだしく迷惑。

宮田茂樹さんの話によると、去年の来日公演は、ミウシャから「ジョアンが日本に行きたがってるから、呼んであげて」ていう電話のあったことに端を発するらしい。いままでにも、ジョアン来日の企画はあったらしいが、みなつぶれていた。どうもジョアンは日本来たくないんじゃなかろうか?飛行機嫌いといううわさだし、もうおじいさんだし、しんどい思いして日本にまで行くことない、そう思っているのかと思っていた。ジョアン、コンサートを突然キャンセルしたり、遅刻したりするので、いくつか訴訟をかかえていて、その費用をまかなうために金の稼げる日本に行こうと決意した、とかいううわさも聞いた。けど、みんなウソだった。そもそも、ジョアンはメキシコに住んでいたとき、好んで日本風の家屋に暮らしていたらしい。今年はどうだか知らないが、去年はホテルの部屋に畳(あるいは畳マット?)を持ち込んでいたらしい。日本に対してなんらかの特別な感情をもともと、持っていたらしいことがいまならなんとなくわかる。これまた宮田茂樹さんのインタビューによれば(ほぼ日)、ジョアンはこの15年ほど、遅刻したことはあっても、コンサート、キャンセルしたことはないそうだ。去年の、ジョアンの動向を逐一伝える場内アナウンスを思い出す。「ジョアンがホテルを出ました」「ただいま会場に到着しました」ていう放送に思わず拍手したりする。怒ってる人もいたそうだけれど、そこで、思わずいっしょに拍手出来る、思わず笑顔になってしまう、そんなことになにかしらの一体感みたいなものを感じていなかったとは云わない。日本公演が無事終了しますように、て、もちろん、ここの管理人はもう大人ですから、そんなコトバがあからさまに心中にあったわけではないんだけれど、ジョアンが演奏してくれることを祈っていた。ジョアンが日本の観客を気に入ってくれますように、て思っていた。おれはジョアンの大ファンというわけではないし、ボサノヴァ・ファンというわけでもないけれど、一生懸命聴こうと思っていた。そう思ってた人は多いと思う。そんな気持ちをだいなしにする大バカ者もいくらかいたが、目立たなくてよかった(笑)いや、目立ったか(爆)でももしかすると、そんな大バカ者のおかげで、なおさら、会場の空気が盛り上がったのかもしれないネ。そんな人も必要なんだ。ホントは。バカ者、バカ者てなんだよ!おれのことかよ!?て思った人いたらごめんネ。もっとも、そんな人は、ここ読んでないと思うけどネ。

あー...。
今日も本題にたどり着きませんでした。

だいたい、大切な話ていうのは、なかなか云いがたいモノあるので、まわりのほうばっかり話しちゃったりするのよネ。
ヘミングウェイの「武器よさらば」だったか「日はまた昇る」だったかにそんなセリフあるンよ。

  「その話をすると思い出が消えちまうよ」
  「だからまわりのほうだけ話してるのよ」

だいじな思い出。話すと消えてしまうかもしれない思い出。

思い出した。
小さい子は、生まれてからしばらくはお母さんの胎内にいたときの記憶を持っているのだそうです。あるタイミングで聞けばそれを話してくれるという。でも一度きりしか話してくれないという。一度話すと忘れちゃうんだそうで。話さなかったとしても、その後の急速な知能の発達と世界の広がりが、その記憶を深い場所に埋めてしまって2度と掘り起こすことはできない。

とりあえず、つづく(と思う)

|

« ジョアン・ジルベルトの夜 その1 | Main | ジョアン・ジルベルトの夜 その3 »