2004.08.01

箪笥

韓国ホラーの佳作です。
近年、ホラーブーム?みたいですんで、気になるホラーはたいてい観に行くんですけれど、これはー、二重丸ッ!
最近どこもかしこも韓国ドラマでそんなにいいんかい!?ぺがなんだ、ヨンヨンてなんだ!?て思ってましたが、「箪笥」観て、見直しました。(←そんなことでいいのか?)
とりあえず、ツボを押えた演出で安心して観ていられます。(←ホラーなのに?安心して?)
怖いていや怖いけどそれよりなにより、美しい。美術はそうとうお金かかってます。そもそもオープニング・タイトルでがつん、てやられました。なにか?唐草模様のタペストリーみたいなんだけど、それがね、水に流れるようにさら~て分解していくのよね。それ、きれいだった。
ヒロインの女の子、ふたりともかわいい。継母役、むやみとうまくて、その空々しさ?の演技がこわいくらいにうまい。優柔不断な父親役、う~ん、うますぎる。セリフはたいして多くないけれど、ただたたずんでいるだけで、なにか憂鬱なものを感じさせる(笑)
あとカメラもかなり凝っている。やぐら組んだり、クレーン使ったり大変だねえ、て思います。
演出も俳優も美術も脚本もなにもかも、はっきり云ってうますぎ。
唯一の欠点は、そう、うますぎる、てことでしょうか。
うまさがちょっと鼻につく(笑)
でもいい。久しぶりに、きれいなきれいな映画を観たな~て思いました。
「イノセント」もきれいだったけれど、アニメなんで、「きれい」と云ってもちょっと違う気がする。

ところで、ホラーと云えば、幽霊とかつきものですが、まあ、白装束の幽霊はともかく、死んだ者の霊を表現するのに、真っ黒けの人とか、焼死体みたいな人とか、そんなんが、ちょっとした隙間にちろ、と見えてきゃー!とか思うわけですが、そんなん観るたびに、あー、この俳優さん、からだ中真っ黒けにして大変だねえ、て思ってしまいます。グロいもの出したい気持ちはわかるけど、そうじゃない怖がらせかたをしてもらいたいなー、て思います。ありふれた特殊メイクくらいでは、素直にだまされることが出来ません、最近。
そういえば、大林宣彦監督が昔、特殊撮影てのは、特殊撮影てわかる程度に荒くしとくのがいちばんいい、でなきゃ、特殊撮影がもったいないではないですか、というような意味のことを云っていて、かといって、彼の映画がすばらしいとはとくに思わないんだけれど、彼の考えには深く同感するところはありました。もっともそれが予算の少なさに対する負け惜しみでなかったかどうかはわからない。

「仄の暗い水の底から」とてもいい映画でしたけれど、黒木瞳が真っ黒けのお嬢ちゃんを抱いてるシーンはうえーん!て泣きたくなりつつも、あー、からだ中真っ黒けだ...て冷めた目で観ざるをえませんでした。それが残念。

きれいなきれいなホラーが観たいナー。
まあ...きれいだったら、ホラーだろうとなんだろうといいんですけれど。

追記。
構成もかなり凝ってますね。まるでタランティーノ。
全部見終わらないと、なにがどうなってんだか?よくわからないですね。
それもまたうまい。うまいけど、なにをわざわざ、てもちょっと思うところではあります、がでも、効果はあったでしょうと思います。

|

2004.03.23

ロバと「イノセンス」と伊藤君子

「ロバが旅に出たからといって、馬になって戻ってくるわけじゃない」

だれでもその器なりにしか生きられない、という比喩らしいですけどね。出典は知らない。
「イノセンス」て映画で出てきたセリフ。
絵がきれいでしたね~。みとれた。内容はまあ、霊(←誤植でない)のごとくというかなんというか、ここの管理人はけっこう、こんなお話好きだけど、それはそれとして、あんまし誰も云わないので、書いとこう。
最初から最後まで、登場人物のセリフがね、ほとんど、古今東西の箴言で構成されてます。孔子からお釈迦さまからキリスト・聖書からミルトン、デカルト、禅語とかことわざとか、いろいろね。ぼくはそれ聞いてんのが面白かったです。ちょっときざたらしくて鼻につくけどね(笑)機械(ロボット)も哲学してるんだねえ、詩人なんだだねえ、とか思いながら観てました。

あとね、主題歌、ジャズ・シンガーの伊藤君子が歌ってんですが。アランフェス・コンチェルトのメロディでね。そいがさ~、いいねえ、て思いましたけど。伊藤君子、もう10年近く前、美空ひばりに捧げたアルバム作ったんですが、それすごく気に入ってしばらく聴いてたんですが、大人ぽくてさ~。いま、日本人もジャズもいろんなシンガーいますけど、伊藤君子てすでに別格だなあ、とか思いながら、ラストクレジットの歌に聴きほれてました。

|